すがるものが消えた世界で、それでもすがりつこうともがいていた




彼女に初めて会った時、探していた何かを見つけたような気がしていた。


これが恋とかいうものなのかなと納得して毎日彼女にへばりついた。


彼女がいれば欠けていると感じていた思いが消えると

埋まると思って。




でも彼女は僕を見ない。
僕がいようといまいと端正な横顔を不機嫌と憂鬱で歪めていた。



けれどそれを悲しいとは思わなかった。

好きだと思ってるはずの相手にこんな態度を取られるのは傷つくはずなのに。



むしろそれが当然と感じていた。


何故かと感じる余裕はその時はなかった。
でも今はわかる。



彼女は唯一のよすがだったんだ。



それに気付いた瞬間。






僕は消えて





僕に戻った。





あなたに 会いたかった。





end


多分一番の短文です。消失古泉くん。
原作を読んだ時に意外と扱いが少なかったんでちょっとびっくしりしてました…。
でもそのぶん見る夢は大きいです!!(笑)


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